フレスコグラフィックシート

紙にランダムの凹凸があるので映り込みがなくカメラで撮影しても迫力のある画像になります。
イラストや絵画、写真をインテリア使用から展示物への利用、推し活グッズ作成と幅広く利用できます。

デジタルもアナログも、作品に「手触り」を

日々の生活の中にアートを取り入れ、空間を豊かに彩りたい -これは、19世紀の芸術家ウィリアム・モリスが提唱した「芸術と生活の一体化」という思想が、100年以上経った今もなお多くの人々に響く理由かもしれません。デジタル技術が進化し、絵画表現の選択肢が広がる現代において、「フレスコグラフィックシート」は、まさにその可能性を大きく広げる新世代の出力メディアです。

「フレスコグラフィックシート」が持つ、世界初の独自技術

このシートの最大の特徴は、世界で初めて日本の伝統技術を参考に誕生した、ランダムな凹凸を持つ素材系メディアである点です。一般的な紙のメディアとは異なり、無機質の石灰岩を敷き詰めることで、光の映り込みを抑制し、色彩やグラデーションに深みと立体感を与えることができます。また、フレスコ画と同様に紫外線の影響を受けにくく、長く発色性を保つことが可能で、大切な作品の劣化を防ぎます。この画期的な表現は、「非接触プリント技術」であるインクジェット（ジークレー）によって初めて実現可能となりました。従来の印刷手法、例えば凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷やレーザープリンターが版やロールとの接触を伴うのに対し、インクジェットはシートに全く接触することなくインクを吹き付けていくため、凹凸のある素材への出力が可能になったのです。

他の印刷媒体との比較と、脳が感じる「質感」の秘密

従来の印刷では、CMYK（シアン、マゼンタ、イエロー、黒）のドット表現による減色混合が基本であり、色再現性には限界がありました。一方、インクジェットはRGB（赤、緑、青）表現を中心に開発されており、モニターで見るような鮮やかな色を再現することを目指しています。フレスコグラフィックシートは、このインクジェットの特性を最大限に活かすよう設計されています。

さらに注目すべきは、このシートが持つ視覚効果です。人間の視覚は、受け取る情報の約8割を占め、単に目が見るだけでなく、脳が高度な情報処理を行うことで映像化されていることが分かっています。例えば、脳はわずかな視覚的な「錯覚」すら生み出します。フレスコグラフィックシートの規則性を持たないランダムな凹凸は、自然の自由落下を利用して粒子を散布することで作られており、脳が「パターン」として認識しないよう設計されています。これにより、色彩情報が展開された途端、脳はその凹凸を邪魔と感じることなく、描かれた色の情報から自然に立体感や質感を処理するのです。一般的な布目やエンボス加工されたシートが持つ「パターン」とは一線を画し、まるで本物の空間がそこにあるかのような、奥行きと迫力ある表現を可能にしています。